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Blog

2017/08/31 15:14

私たちが企画、開発するオリジナルブランド「with N」について、書いています。
少し(だいぶ?)長いですが、お時間ある時にご一読頂けますと幸いです。。

<素材のこだわり>
動物の「皮」は、バッグなどの製品として使用することが出来るように鞣(なめ)されて「革」になります。主な鞣し方としては、溶剤を使う「クロム鞣し」と、古来から行われている「植物タンニン鞣し」があります。「クロム鞣し」は溶剤にクロムという金属を使用します。コストが安く、作業時間が短い為、今ではほとんどの革がこの方法で作られています。柔軟性があり、伸びが大きく弾力があります。また、染色した際の発色が良く、鮮やかな色合いになります。それに対して「植物タンニン鞣し」は、植物から抽出された「渋」を使って行われます。植物タンニン鞣しされた革を「ヌメ革」と言います。作業には手間と時間が掛かり、発色も良く無く、効率も悪いことから、今ではほとんど行われていません。しかしその革は安心安全で、廃棄された後は自然に帰り、人にも環境にも優しい素材です。革本来の風合いと経年変化が楽しめ、使い込むほどにしなやかになり、艶が出て、愛着の湧く製品に仕上がっていきます。伸縮性が小さく、硬い革に仕上がるのが特徴で、主にケースや靴など立体化する製品に使われます。「with N」ブランドの製品は、全て「植物タンニン鞣し」された革を使用しています。素の状態に近い為、傷や、血管の跡が残っている場合があります。それは動物が生きていた証で、私たちは、品質に影響が無い範囲で、敢えてその部分も使うことにしています。

<職人のこだわり>
縫製しているのは、東京浅草に工房を構える革靴職人です。革靴という高度な縫製技術が必要な製品を作る経験を生かし、特殊なミシンを使って、1点1点全て手作業で製作しています。バッグなどは型紙を使って、革を手絶ち(革用の特殊な刃物を使って、手で裁断すること)します。ケース、小物などは「抜き型」という金属製の型で切り取ります。その際に大事なのは、いかに革の良い部分を、最も効率的に裁断するか、です。歩留まり(1枚の革の内、製品に使える部分の割合)次第で製品の価格は大きく変わってくるからです。長い経験と、革を見極める目が必要です。品質の良い製品を、適正な価格で提供することが私たちの目的ですので、その最初の段階である「裁断」という作業は、天然皮革、特にヌメ革では大変重要です。その為、裁断の作業も、縫製する職人自らが、それぞれの製品に適した部分を見極め、最も効率が良くなるように行っています。「with N」シリーズに使われるヌメ革は、厚みがあり、硬く、革の中では縫製し辛い素材です。市場に流通する量が少ないのはその為です。しかし素材の特製に惚れ込んだ私たちは、あえて難しい製品化に取り組んでいます。その為には職人の高度な技術と経験が不可欠です。重ね合わせて縫製する部分は、他の部位との厚みの違いを少なくする為に、薄く漉いてから縫製しています。漉く部位、厚みは職人の経験で都度決めていきます。薄くし過ぎると強度に影響します。絶妙のバランスが必要なのです。 「with N」シリーズの革は厚みが厚い為、一般的な「袋縫い(革の裏側が見える状態で縫製し、後で裏返して、表側が外になるようにする方法)」が出来ません。すると必然的に「コバ(革の端の断面の部分)」が見える構造となります。通常は「コバ」は見えないので、後処理は必要ありませんが、本シリーズの製品では、縫製後に「コバ」を磨いて仕上げています。バッグなど外周が大きい製品では、かなり大変な作業となります。それでも、磨きます。磨いていない製品とは手触りが全く違うからです。ここにも職人の強いこだわりが見て取れます。職人の強いこだわりと、新しいことにチャレンジする心意気で、私たちの製品は出来ています。

<製品への想い>
「使い捨てでは無い」「長く使える」「使い込んで初めて製品として完成する」製品作りが私たちの目的です。かつ「安心安全」に使えるもの。「ヌメ革」はその目的に最適です。使っていくうちに色が濃くなり、艶が出て、飴色に変わっていきます。それが革本来の経年変化です。使えば使うほど色の変化は全体に行き渡り、全く違う色の製品に変わっていきます。また硬かった革がしなやかに、使う人に馴染んでいきます。革製のバッグは、通常強度を増す為に綿布などの裏地を付けています。本シリーズは敢えて裏地を付けていません。布と革の寿命が全く違うからです。布は革に比べて、やはり短い期間で傷んできます。裏地とはいえ、傷んでほつれたり、破れてしまっては、やはり商品の価値は下がり、使うことをためらうことになりかねません。その為に、十分な強度を保つ厚さの革を使い、革のみで作っています。そうすることで、長い期間使って頂けます。タブレットやスマートフォン用のケースには、裏地に豚スエード革を使っています。中のものが密着し、出し入れするたびに革と摩擦を繰り返すので、傷が入ることを防ぐ為です。使用している豚スエード革は、軽く、薄くても丈夫で摩擦に強く、ヌメ革との相性は抜群です。使用用途、内容物などを吟味し、最適な素材を選定し、何度も試作を繰り返し、安心してお使い頂ける製品を作り続けます。

<お使い頂く際に>
デザインがシンプルで、落ち着いた色目の本シリーズの製品は、どのようなシチュエーションにもマッチします。目立ちすぎることなく、さりげない存在感がり、所有する満足感が得られます。また、時代に流されない、周りに流されない、「本物を知っている」という印象を周りに与えてくれます。購入時が最も良い状態で、使うほどに劣化していく製品が多い中、このヌメ革シリーズ製品は使い込むほどにより魅力を増していきます。製品を長く、大事につかっている人は、やはり魅力的に映ります。その為に私たちは、使っていく内に補修が必要になった場合にも、出来るだけ対応させて頂きますので、お気軽にご相談ください。
せっかく気に入ってご購入頂いたものですので、いつまでも使い続けてください。(※補修は有料です)

<利用シーン>
日常的にお使いください。「一張羅」では無く、「普段使い」して頂ける製品作りを目指しています。いつも身につけて、触れて、一緒に製品として完成させてください。

※ブランド名「with N」について
N;Nature(自然)、Natural(天然の)、ヌメ(Nume)から由来しています。
天然の素材を生かした製品と共に、自然体で、肩肘張らない、上質な生活を送ってほしい、との想いを込めています。